企業概要
東京都に本社を置き、産業廃棄物の処理や亜鉛合金・アルミ亜鉛合金製造の会津工場と、廃硫酸リサイクルや工業薬品の製造を手がける千葉工場の2拠点で、日本曹達グループの「エコソリューション」セグメントを担う。なお、会津工場では重金属、フッ素物、塩化物などの難しい処理も請け負うことから、東日本を中心に全国各地から依頼が寄せられている。1983年8月創立。

御社は大正5年(1916年)創業の高田商会大寺製錬所がルーツとうかがいました。
弊社は、「特色ある独自技術で社会課題を解決する環境ソリューション企業」を基本理念に掲げ、産業廃棄物処理や資源リサイクルに取り組む「環境開発事業」、各種亜鉛合金・アルミ亜鉛合金生産を行う「非鉄金属事業」、廃硫酸を硫酸や硫酸系無機薬品に再生リサイクルする「工業薬品事業」を展開しています。
近年は「リサイクルで業容拡大」を打ち出し、リサイクル事業に注力したい考えです。
非鉄金属事業では各種亜鉛合金の製造・販売を行っていると説明しましたが、すべてリサイクルです。亜鉛リサイクルも古くから確立しており、3つの事業がいずれもリサイクルの基本技術を持っています。この強みをさらに発展させられればと思っています。
高田商会大寺製錬所は亜鉛の製錬所で、1928年に経営を日本曹達株式会社が継承しました。
亜鉛を製錬する際には硫酸が生まれますから、歴史が強みを支えているとも言えます。



協会入会のきっかけは何ですか?
ソーラーパネルの処理については、産業廃棄物の処理を行っている会津工場への相談が増え、5年ほど前から取り組みを始めました。
CISソーラーパネルはリサイクルが難しく、また、有害物を含むことから、簡単に処理することもできません。弊社では亜鉛製錬の技術を応用した高温熱分解法(還元焙焼・焼却)で産業廃棄物の無害安定化、減容化を行っており、産業廃棄物として持ち込まれたソーラーパネルは破砕して他の産業廃棄物と一緒に焼却炉で処理し、路盤材としてリサイクルしています。
これまで同業者が苦手とする重金属の処理を請け負ってきた経緯もあり、ソーラーパネルに含まれる重金属にも問題なく対処できました。
また、風水害等で破損したパネルもリサイクルが難しいものだと思いますが、弊社では同じように路盤材としてリサイクルするフローを確立しています。
一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)にはソーラーパネルをリサイクルできることを表明しております。
今後、ソーラーパネル処理事業を業容拡大の柱にしたい考えもあり、不要になったソーラーパネルが大量に排出される近い将来へ向けて、リサイクル率を上げ、処理ラインを強化することを検討しています。
新たな設備を模索している中、おひさまエナジーステーション株式会社(岡山県岡山市)の紹介で、協会のことを知りました。佐久本式ソーラーパネル熱分解装置にも興味を持っています。


協会へ期待することは何ですか?
佐久本式ソーラーパネル熱分解装置を早く世に出していただくことはもちろんですが、もっとも期待していることは、優秀な装置を使って抽出したガラスの再利用方法です。
板ガラスを作り出すことが協会としても目標だとは思いますが、抽出した原料をできるだけ高く買い取ってもらうのはもちろんですが、板ガラス原料として確実に使用してもらえるよう注力してもらいたいです。
また、使用済みのソーラーパネルを「集める→処理する→再利用する」という一連の流れの構築も課題です。先日は協会設立者の佐久本さんが国会に参考人招致されました。このような状況の中で、企業が参入しやすい法律やガイドラインの構築を期待しています。

協会に対してどような面で協力できると考えていますか?
長年、産業廃棄物の処理に携わってきた経験を活かし、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)関係の対応など、質問をいただければ、協力できることは多いと思っています。

最後に一言お願いします。
産業廃棄物の処理はなくならないですし、絶対に必要なものです。今後、維持・拡大していくためにもリサイクルの分野で強みを発揮していきたいと考えます。
日曹金属化学株式会社様のHP